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2016/08/06

犬もあるけば

トロントにも夏がきて、僕の知る限りでは例年にない暑さをもたらせて、街ゆく人たちの挨拶にも「暑いね〜」が飛び交っているような気がする。少なくとも僕の周りでは。

そんな暑いなか、快適(ではない部分があるのは認めなくてはならない)な自室へ閉じこもらないように、そして少しでもより多くの「音楽愛好家」に出会うべく、夜は時間を見つけては街へ繰り出し歌うことをしている。限界に挑戦するほど頻繁ではないけど、疲れたりしていても出ていくとなんか素敵なことがあったり、新しい感覚に出会えたりするから好きだ。
街へ繰り出して歌うというのは、この場合路上ではなくオープンマイク。トロントの街中にあるバーで開かれている誰でも参加できるイベント。

そういうのに参加して音楽(とお酒も?)大好きな人たちが集まる場所で人と交流を深めたり、腕試ししたり…そんなことがこの街では連日どこかで起きている。

先日歌いに行ったところは、地元の人に愛されているちょっとナイスなエリアの一角にあるバーである。
入ってくるお客さんたちを見ていると分かるけど、常連らしき人が多く、お客さん同士も店員も顔なじみといったようだ。
店にお客が入ってきては「おーい、元気?どうしてた?」みたいな会話を他の客としながら握手したり、拳をぶつけたり、肩をぶつけてみたり、ハグしてみたりしている。(挨拶の形も様々だ)

そんなお店でこの日は歌った。
イベントのオーガナイザーも知り合いだし、気持ちよくできたんだけど、それだけじゃなく今日は加えて素晴らしいことがあった。

お客さんのなかに一人少年がいた。小学生くらいだと思う。お父さんが常連らしく、お父さんは店内の色んな人に(例の様々あるタイプの)挨拶をかわしていた。その息子がオーガナイザーの一人に誘われ、僕の演奏中にカホンで参加してきた。

決して上手ではなかったけど、彼は一生懸命教えてもらいながら叩こうとする。
何とも微笑ましい瞬間で終わった後、少年に称賛の拍手が沸き起こり、僕も彼と(例の)握手をした。

あの感じは、石巻で「R」に参加したときみたいな、その場所に大人から子供まで、カップルや親子連れもいたり、音楽が大好きな人が集まって、…というそういう空間が確かにあったように思う。

トロントは至るところでフリーコンサートなどの生演奏を聴ける機会があり、子供がそういう風に音楽や文化的なものに触れられる瞬間がよくある。今回のようにバーで…っていうのはさすがにそこまでないけど。
僕はそういう文化はすごく好きだ。もちろん日本のように子供には子供の、大人には大人の…というのがあって、「子供の頃はできなかった、やらせてもらえなかったけど、大人になってようやくやりたいことができる」みたいな一種のバネの反発力みたいなこともあると思うけど。
なんせ音楽だし、大人と一緒にできることで彼らが子供の頃に吸収できることもたくさんあるんじゃないか。
そう思うと日本でももっとこういう空間が当たり前にたくさんあってもいいんじゃないかなどと思う。

彼が携帯を使って、他の人の演奏を撮影したり、演者の目の前に座って食い入るように見詰めている姿をみて、僕もいいぞう!と思って応援したい気持ちになった。

帰り際、男の子をカホンとして参加させたオーガナイザーの友人が「しんごに断りもせずに、勝手に少年に叩かせてごめん」みたいなことを言っていたけど、「いいことじゃん、そうやって未来のミュージシャンを育てなくっちゃ」なんて会話をして盛り上がった。

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